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2025/05/14 10:43 |
真っ赤な二人
リクエスト…恋人同士で攻めな上条ちゃんに美琴がいつも負けてる
ゆーきさんから頂いたリクエストです。
腐女子がなんとかって言うから、少々女性向けの二人を意識してしもうた。結局それはやめて最後はいつもの上条さんらしくしたけどねw
上条さんの攻め…と連想したらこれが思いついた。本当は本格的なエ○関係を思いついたが、それはまた今度にねwww
あとタイトルには特に大きな意味はありません。ただ見直して思いついたのがこれだっただけですwww

過激な表現として耳噛みあり(前の作品の反省があるので、一応注意書きします)



 もはや恒例になった自販機での待ち合わせ場所にはすでに常盤台の制服を着た少女、御坂美琴の姿があった。
 いつもの方法で自販機からジュースをただ飲みするのを誰かが見てしまえば、常盤台の印象は一気に下がる。が美琴は今更そんなことを気にしても仕方がないのでかなり前に考えることをやめている。それに元々はこの自販機がいかれているからお嬢様らしくない方法で蹴らなければならなかったのだ。
 そんな問題の自販機を背もたれながら美琴はジュースを一口飲もうとした。その時、不意に足音が聞こえた。
「お、今日もいたんだ。彼氏としては、可愛い彼女さんが待っているのは嬉しいもんですね~美琴」
「ななな、何言っちゃてるのよ!? そ、それよりもアンタ、遅いわよ!」
 内心では可愛いと言われた事がとてつもなく嬉しいのだが、やはり素直になれるわけもなかった。それも知らないであろう待っていた彼氏である上条当麻は、優しい笑顔で美琴に近づいて来る。美琴は別に逃げる必要もなかったので、背もたれながら上条が近づいてくるのを待った。
「毎回毎回さあ! 待ってる私の身にもなってよね!」
「そうだな、美琴。でしたら上条さんはその償いをさせていただきますか」
 というと上条はがばっと美琴を抱き寄せて腕いっぱいの力で抱きしめた。
「これで許してくれるか、お姫様」
「ふ、ふにゃー」
 好きな人に抱きしめられる幸せを体感した美琴は、嬉しさのあまり手に持っていた缶を落とし意識を飛ばしてしまった。ちなみにこのとき、漏電もしているのだが抱きしめた身体にはちゃんと幻想殺しの右手が触れていたので、漏電の青い光は現れず被害はなかった。
 上条は意識を失ってしまった美琴に気づくと、さらにぎゅっと抱きしめて目覚めの呪文を耳元で囁いた。
「美琴、愛してる」
「ふにゃーーーー!! ふにゃふにゃふにゃーーーー!!! あああああああいあいあいしてるぅぅぅ!!??」
 言われた瞬間、美琴はボンと爆発し頭から白い湯気がゆらゆらと立ち昇っていく。同時に意識を取り戻したが、上条の愛している発言に頭のねじがいくつか飛んで行ってしまった。さらに、先ほどよりも抱きしめられ耳元に息が当たるほどの距離感での密着に、美琴は嬉しすぎて自然と顔が緩くなりそうであった。
 一方の上条は復活した美琴を抱きしめながら、クスクスと笑った。そしてわざとらしく耳元にふーと息を吹きかけてみた。
「にゃぁっ!? ちょ、ちょっと!!」
「いいから。本当は嬉しいくせに、素直じゃねえな」
「う、うるさい! それは…あ、ううっん!」
 素直にならないことはお見通しだった上条は、美琴の耳の穴に向かって少しだけ強く息を吹きかけながら、少しずつ耳へと唇を近づけていく。それを見ることが出来ない美琴は、何してるのと緊張しながら目をギュッと瞑った。
「あ、んっ! こら、やめ!」
「はむ…んっ。ちゅっ……ちゅっ……美琴の耳、可愛いな」
「何、を…あ……んっ……ダメ。……くっ……よわい、の」
 息を吹きかけながら、上条は美琴の耳を甘噛みする。
 柔らかい耳に上条の柔らかい唇と口内に含まれた箇所からは口内の体温が感じられた。生暖かい口内の感触は美琴も自分の口内の暖かさで理解しているつもりだ。しかし、上条の体温は美琴が知っているのよりも暖かい。風呂の中よりも熱は低いはずなのに、含まれた箇所は火照ったように熱く心地よすぎて離れたくなくなってしまう。外が寒い時に毛布に包まったりする時のあの出たくない心地よさを感じているようで、美琴は上条の口内の熱に依存を感じてしまいそうで怖かった。
「あっ……やめ…っ……いいかげんに」
「耳、弱いんだな。可愛いな、ホント」
 上条はニヤリと笑いながら、美琴の耳を口を使って弄り回す。
 口内の体温が心地よいが、それと同じぐらい上条の唇が柔らかかった。口内に含まれていない部分の周りには上条の赤い唇があたって、それも口内ほどではないが暖かい。さらにたちが悪いことに上条の唇はまるで美琴の耳に何度でもキスをしているかのように、ちゅっと唾液に似た音を耳元で立たせる。美琴には、口内の暖かさと同じぐらいにその音が織りなす官能さに体中が熱くなっていくような気がした。
「んっ…ちゅっ…あむっ…んん……美琴も可愛い反応を示すな」
「う、うるさいって何度言えば……んんっ! わざと強く噛むな」
 少しばかり熱が入ってしまった声は、可愛らしさと誘惑が入り混じった官能的な声であった。それは男の理性を結んでいた糸の縫い目が緩めるような破壊力があった。年頃の男であれば、官能的な声にはもっと聞きたいとさらなる欲の規模を大きくなってしまうが自称、鉄壁の理性を持つ上条は不意にとがった歯を引っ込めると、最後にちゅぅーと美琴の耳を吸うと耳元から顔を離し美琴と向かいあった。
「んんっ!! ………あ、アンタね!」
「そう怒るなよ。なんだったら今度は常盤台の寮の前でやってやろうか?」
「それだけはやめて。恥ずかしくて死んじゃうわ」
 怒りそうであった美琴に上条は脅しをかける。さすがの美琴もその内容にはあっさりと屈するが、やはり屈したことが悔しかったので抵抗として上条をにらみつけた。
「そう怒るなよ、愛しのお姫様。からかっただけじゃねえか」
「ああああんなからかい方、普通はしないわよ! アンタはどういうコミュニケーションをとろうとしてるのよ!!」
「上条さんは大好きな美琴さんを喜ばせたかっただけだったのにな~。でも本当は嫌じゃなくてもっとやって欲しかったんじゃないのか?」
「そそそそんなわけないでしょ! 耳なんか弄られて喜ぶ変態なんて、普通はいないわよ!!」
 その変態が美琴なのだが、自分でそれを認めたら色々なものを失うことは目に見えていたので、自分が変態であることは決して認めなかった。しかし自分にはまだ見えていない本心の奥では、弄られて喜んでしまった自分がいるのだが、それを自覚するのはもう少し後になってからだ。
 真っ赤になりながら慌てて首を横に振る美琴と向き合っていた上条は、本当か? と疑うような視線で美琴を見つめている。だが美琴は上条と視線を合わせないように視線をずらしていたので、視線がぶつかりあって動揺することはなかった。
「………まあ時期に本性を現すだろうから、その時までじっくり待つことにしますかね」
「何よ、それ。何度も言うけど、私はそんな女じゃありませんよーだ!」
「ま、時期にわかるだろうからそれはまた今度な。それよりも美琴」
 何よと睨みつけながらやはり視線は上条と合わせない。しかし上条はそれを気にせずに顔を近づけて優しく唇を重ねた。
「んん………何のつもりよ」
「大好きな彼女のキスをしたのですが、何か問題でも?」
 ニッコリと笑って見せた上条に、美琴は一瞬だけ視線を合わせるが慌てて視線を逸らした。だが真っ赤になっている顔からは美琴がどんな面持ちであったのか、上条には不思議と想像できてしまった。
「ふ~ん、恥ずかしいのか? 美琴」
「ば、馬鹿言わないでよね! たかがキスぐらい、何度だって」
「だったら前を向いて目を見て話してみろよ」
「ッ! ………………ああー!! もう認めるわよ認める!!」
 余裕を見せている上条とは対照的であった美琴には余裕など一切ない。視線を逸らすことでなんとか正常を保っていたものの、目を見ろと言われては美琴はきっと意識を失ってしまうだろうと自覚していた。だから悔しいが、上条の出した課題をクリアーすることは美琴には出来なかった。
「別に怒ってるわけじゃないんだから、素直に恥ずかしいって言えばいいのにな。ま、そこも可愛いんだが」
「うるさいわよ、馬鹿。というかアンタ、私と付き合い始めてからキャラ変わった」
 付き合う前であったら、上条は美琴に頭が上がらずリードは美琴ばかり取っていたのに、いざ付き合い始めてからリードは上条にばかり取られてしまっている。電撃を浴びせてもなんてことない顔で防ぎ、美琴と会うたびに恥ずかしい言葉を平気で言ってくる。そのたびに美琴は流れを上条に取られてしまい、自分の方向に流れを戻すことが出来なくなっている。これはある意味不幸であり、ある意味幸運でもあるが、プライドが高く自分がリードしていたことが多かった美琴は、まだこの状況になれることが出来ていなかった。
「そうか? 上条さんは特には変わってないと思いますが」
「変わったわよ。平気で好きって言ってくるし、抱きしめてくれるし、キスだって……」
「それは上条さんがしたいからしたことであって、美琴をからかったりするためじゃねえよ。だったら、もうしない方がいいか?」
「…………………いい。そのままで」
 一部例外もあったが、いきなり好きだと言ったり抱きしめたりキスしたりするのは全て上条の愛情表現だ。様々な女性にフラグを立てる体質は相変わらずであったが、美琴だけを特別視しているからこれらのことをしてくれている。時と場合を選ばないのは困るものがあったが、それらを抜きにすれば美琴には幸せ劇場オンパレードで上条と付き合っていることが本当か疑ってしまうほどのものであった。
 だからリードを奪われたことは悔しいが許せてしまう。少し言い換えてしまえば、美琴にはそれ以上の見返りがあったのでもうリードを取ることなどどうだっていいのである。
「それよりも今日も夕飯の買い物をするんでしょ? ほら、遅れたんだからさっさと行くわよ」
「へいへい。では愛しの姫君、参りましょうか」
 上条は恭しく頭を下げると、右手を差しだした。美琴は何やってるのよ馬鹿! と真っ赤になりながら怒鳴りつけると、上条の手を引っ張って夕飯の食材を買いにスーパーへと走って行った。


 上条は美琴に引っ張られながら、はぁーと気づかれないほど小さくため息をついた。別に急がなくても特売までまだ時間があるはずだというのに、この急ぎようはどう見ても動揺をしている。
 それを後ろから見ながら心の奥で危なかったと、上条はさきほどの美琴の耳に悪戯したことを思い出した。
(まったく。アイツが俺にべた惚れだって言うのはわかったことだし、俺が一方的に攻めれば楽にはなるってわかったけどな。でもさっきのはさすがの上条さんもやばかった。いくら好きでも、キス以上のスキンシップは……ああ、恥ずかしすぎて出来ればやりたくねえ! でもやらないと御坂に引きずられっぱなしだし……ああ不幸だ)
 どうやら平気で攻めているように見える上条も、本心では恥ずかしすぎて仕方がないようだ。演技が上手でも恥ずかしい気持ちはまだ拭いきれない上条は、今日もまた美琴を攻め続け心の奥で恥ずかしさと戦いながら美琴との日々をすごすのであった。

<終わった>
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2010/04/06 23:13 | 禁書

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