初めてのロボティクス・ノーツのSSです。
pixivにあげれば一番だったかもしれませんが、恥ずかしいのであげませんでした。みんなの意見が怖い((((;゚Д゚))))
トゥルーエンドのカイとアキちゃんのお話です。エピローグを自分で作ったような感じなような違うような…
pixivにあげれば一番だったかもしれませんが、恥ずかしいのであげませんでした。みんなの意見が怖い((((;゚Д゚))))
トゥルーエンドのカイとアキちゃんのお話です。エピローグを自分で作ったような感じなような違うような…
「…………」
今日は30戦以上やって今のところ、負けなし。
調子はいい。むしろ、絶好調と言ってもいいぐらいだ。コマンドミスはないし、危ないと思う場面はほとんどない。
言うなれば、圧勝に圧勝を重ねている展開だった。
でもなぜだか、今日は勝ったのに嬉しくない。
「……はぁ」
ため息を付いて、俺はポケコンのスリープモードにしてしまった。
「一位になってから時々こうなるな」
キルバラで全一になってからというもの、時々勝っても嬉しいと感じなくなることがある。
熱い戦いをしていないから?
全一になってしまったから?
ライバルがいなくなってしまったから?
そのことで様々なことを考えた。
少なくとも最初と最後は綯さんがいるおかげで、困ってはいない。ただミサ姉というライバルがいなくなったことは、痛手だし残念だとまだ思っているが。
で、二番目の全一になってしまったから? も、多分ない。なぜなら全一になった俺の次の夢は、『全一であり続ける』という夢に変わったから。
じゃあなんでこうなるのだろう?
これってかなりの大問題だよね。
これが続くとプレイ時間は減る。そうなると腕が落ちてもおかしくない。そうなると、全一の俺には相当な痛手だ。
「さて、どうしたもんかね……」
何も思い浮かばず、俺はビーチチェアに寝転がった。
今日も昨日と同じく晴天。ここちの良い春の日差しをパラソルの影で遮りつつも、少し強い風は防げない。旧空港は周りには何もないせいで、無駄に風通しがいいせいだ。まあ、ここで過ごした時間は長いのでもうなれっこだが。
「カーイー」
と、あの声は……。
「アキちゃん。俺に手伝わせ――」
「わかってるよ。それと、呼んだのはそういうことじゃない」
不満そうな顔に言うあき穂は、作業着の軍手を外し、空いていたもう一着のチェアーの上に腰を下ろした。
「ならいいけどね。俺はキルバラで忙しいから」
「はぁ~カイにはお世話になったスーパーガンつく1に恩返しをする気はないの?」
「ないね」
確かにお世話になったが直す気はない。と思う以前に、俺はあき穂の手伝いをする気はないんだけどね。
「それに何度も言うけど、俺を手伝わせたいならキルバラで勝たないと。まあ今のアキちゃんには無理な話だろうけど」
あき穂は言い返せず、悔しそうな表情を浮かべた。
どれだけやっても勝てない。それは誰よりも自分自身がわかっているからなんだろう。
「で、でもうちは一回だけ。一回だけだけど、カイに勝ってるよ」
「ならする? もう一回奇跡が起きるかもよ?」
余裕の返答をあき穂に返した俺は、ポケコンを取り出した。だがすぐさまあき穂はやっぱりいいよと言って、ため息をついた。
「どうせやってもうちは勝てないよ。だってあの時のカイはわざと――」
「それはやってみないとわからないよ? さあ、やろうよ」
「…………はぁー。わかったよ」
あき穂は仕方なくといった具合でポケコンを取り出した。
「俺の勝ちだね。アキちゃん」
「だから言ったんだよ。カイの馬鹿」
すべて圧勝の全勝。ま、最初からわかってたことだけど。
「残念。前みたいな奇跡は起きなかったね」
「そう思うなら最初からやらないでよね!」
ごもっとも。
「でも、やってみないとわからないでしょ? それに、アキちゃんとするの久々だしいい気分転換になるかなって」
「それって後者のほうが本命でしょう!」
そうともいう。だが前者も本命といえば本命ではあったりする。後者ほどではないけどね。
「ま、どっちでもいいじゃん。俺は楽しめたし」
「うちは楽しめてない」
「ごもっとも」
だけど俺は手を抜かない主義だからあき穂に華を持たす気はなんてない。それはあき穂もわかっていることなんだけど……まああき穂だしね。
「はぁーカイっていつも大人気ない」
「これが俺だからね」
「いつも手伝ってくれないしさ」
「いつものこと」
「ゲームばかりしてるしさ」
「キルバラ全一であり続けるのが俺の夢だし」
「うちのことを信用してくれないし」
「それは当然」
「なのに、他のみんなには優しいし信用するしさ」
「アキちゃんよりも信用出来るだけだよ。あと優しくしてるつもりはないよ」
「ずるいよ。カイはうちと一心同体なのに」
「いや、一心同体だからってアキちゃんが特別なわけ――」
「でもキスしたじゃん!」
「…………」
まあ……したにはしたけど……。
「あ、あれは……」
「ってそうだ! カイ! あれの続きまだ言ってない! 帰ったら言うって約束だったじゃん!」
そ、そういえば……まだ言っていなかった。あの非日常的な日から自然に日常にもどったせいですっかり忘れてた。
それに、あき穂が何を言いたいかだいたい察しがついている。
「…………」
だからそれを意識しはじめると、すごく恥ずかしい。
どれぐらい恥ずかしいかというと、ナメプで自爆技系統技を使って締めようとしたら、それを外して自爆して負けた時。それぐらい恥ずかしい。
「カイ……い、言うけど……その、いいよね?」
「えっと……」
恥ずかしい。恥ずかしくてここから逃げたい。
だが発作持ちの俺は全力で走ることができないのでそれは難しい。それにあき穂も発作持ちだ。もし、ここで走って逃げて追いかけてでもしてきたら、俺もだがあき穂にも発作を起こす可能性がある。
「……はぁ」
恥ずかしいけど、諦めるしかないか。
それに、
「俺もいい加減に言わないとな」
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