リクエスト、当麻に嫌われたと思い落ち込む美琴。
毎回コメントしますが、今回は一言。
「三日案考えてこれかよ(涙)」
毎回コメントしますが、今回は一言。
「三日案考えてこれかよ(涙)」
一端覧祭が終わった12月の初頭のある日の午後。
御坂美琴は、縦横無尽に時間が流れるまま、すっかりお祭りムードが抜けてしまった街を一人で歩き回っていた。普段から寮にいることのない美琴の最近の午後は、友人と過ごすか好きな相手である上条当麻とすごしている。学校で過ごしたり寮で一人でいるよりも、ずっと有意義な時間だ。しかし今回は、そのどちらでもなく、ただ散歩気分で町を歩いていたのだ。
やっぱ静かになるものねと、一端覧祭が終わったことを実感しながら美琴は街を歩き続ける。大通りを通り、路地裏を通り、店に入ったり、外から商品を眺めたり、街の中であるので見る光景は飽きない。
でも何か足りないような気がした。そう思いながら、歩き続けていると、いつもの自販機の前に来てしまった。
「はぁー、私は無意識にアイツを求めるのかしら?」
いつも通りの手順で自販機を蹴り、ジュースを飲む。そして、ここでアイツが来るのを待つ。いつものことよね、と美琴は無意識に上条に会いたがっている自分にため息をついた。それほどまでに美琴は上条が好きなのだ。
(べ、別に会いたいとか、そんなこと思ってないのに………なんで来ちゃうんだろう)
無自覚ながらも来てしまうのも、素直になれず不器用な美琴らしい部分である。そうして、目的の散歩を忘れ、結局は上条を待つことに決めると自販機に寄りかかって、目的の相手が来るのを待った。
そして、数分でその相手はここを通りがかったが、声をかけるのを躊躇った。
(アイツ、どうしたの? なんだかいつもと雰囲気が違う)
外見は一切変化はない。だが上条の雰囲気はいつもと違う暗さがあった。いや、暗いのではなく怒っているような雰囲気だった。
よくこの場で上条と会う美琴であったが、怒っている上条を見たのは今回が初めての経験だった。いつもは疲れていたり、不幸な顔をしていたり、急いでいたりと様々であったが、こんな様子の上条はそれらの分類にはどこにも属していなかった。
(声を…かけるべきかしら? 怒っているとなったら、かけたら迷惑になりそうだけど気になるし……よし! とりあえずかけてみよう)
困っているのかもしれないと思うと、美琴は普段よりも穏便に上条の背中を追って、声をかけてみた。
「えっと……あ、アンタ」
「なんだ、御坂か」
声をかけられてすぐに上条は振り返った。暗い声と睨むような視線、そして何故か敵意を持った視線は、美琴の全てを一瞬のうちに凍らせ、恐怖の声を上げそうになった。
上条に見られて感じたの、弱い人間が強い人間に睨まれたとき感じたりする人への恐怖だった。そして、このとき初めて上条自身が怖いと感じたのだ。
「……また用もなしか。まったく、めんどくせえな」
忌々しく吐き捨てるように、上条は言うと美琴を無視して歩いていく。その口調に行動、冷たい視線は上条とは別の人間のように思えた。だが否定する要素はあっても、上条本人だと美琴には確信できた。
だからわからなかった。いつもと違う上条当麻が何故こうも冷たく、こうも怖い存在なのかが。
「ま、待って…」
「………用があるなら、さっさと言え」
「あ、うん。ごめんなさい」
もう一度振り返っても、その表情や口調も変わらない。いつもならどこの不良の真似よ、とツッコミを入れられる言葉も、今は怖い人に目をつけられた小さい子供のように恐る恐るであった。
「何か、あったの?」
「何もない」
即答だった。しかも間をおかずに、今すぐここから立ち去りたいとでも言いたげないい方だった。
「話はそれだけか? だったら、行かせてもらうぜ」
そういうと上条は美琴を置いて、また帰り道を歩き始めた。それを追う理由は、今度はもうなかった。
翌日も美琴は同じ場所で上条を待っていた。
あのあと、電話やメールを試したがいっさい届かず、朝になってもう一度してみたが拒否された。そうなると、直接会うしか手はないので美琴は終わってすぐに、ここで上条を待った。
だが本心では少しだけ会いたくなかった。まだ昨日の恐怖が抜け切っていなかったのだ。
(アイツ、どうしちゃったのよ…)
不安と恐怖、もう一つは謎だ。上条が魔術に関わっていることは知っているが、今回は魔術に関わっていなそうであったし、別に考えても能力者たちとも関わっていなそうだった。だと言うのに、あの上条の様子は何かを思わせるような雰囲気があった。
だから美琴は放っておけなかった。誰よりも、上条の助けになりたかったから放って置けるなんて出来なかった。
「お前、今日もいるのか」
「えっ…?」
突然、上条に声をかけられ、美琴は呆気を取られた。その様子は昨日と変わりなく、冷たく怖い。美琴は感じた恐怖を悟られまいと、握りこぶしを作りぎゅっと握って耐えながら、上条に話した。
「な、なんだか…様子が変だったから」
「様子が変? 俺のどこが変なんだよ」
言ってみろよ、と視線で先を促され、美琴は少しだけ後に下がった。
やはりいつもの上条と違うのが怖い。上条であるのはわかるのだが、昨日と同じ別人に話しているような感覚だった。美琴は押し殺せない恐怖に逃げるように俯くと、小さな声で上条に答えた。
「怖い…の」
「怖い? 怖いって何がだよ」
「アンタ、が……怖い」
「俺が怖い? 御坂は上条さんが怖いと言うのですか?」
美琴は小さく頷いて答えるのが精一杯だった。それに上条は、冷たい声でそうかと納得すると、その場を去ろうとした。
去っていく足音に気づいて、美琴が顔を上げたときには上条は背を向けていた。それを追おうとしたが、昨日とは違い恐怖が美琴の身体を凍らせていた。
「ま、待って」
「…………………」
出来る限り大きな声で言うが、上条はいっさいの反応を示さない。美琴はもう一度待ってと言ったが、それでも反応を示さなかった。
「お願い! 待って! 話を聞いて!」
どんなに叫ぼうが、上条は振り向かなかった。上条はそのまま振り向こうとせず、美琴はその背中に何度も何度も声をかけ続けるしかなかった。
そして見えなくなってしまったところで、美琴の膝はがくんと落ち、後悔の涙が流れてきた。昨日以上に決定的な何かを失った美琴は両手で顔を覆い、声を出来る限り抑えて泣いた。
(怖いなって言っちゃたし、嫌われた……かな)
後悔しても、遅かった。だが残ったのは後悔の一言だけであった。
それから一週間、美琴は寝込んだ状態になった。
学校にも行かず、食事にもいっさい手をつけなかった。一日中寝込み続け、起きるのはせいぜい起こされて仕方なく起きる場合のみ。文字通りの塞ぎこみ状態になっていた。それを心配した白井や寮監たちに進められ、医者行ったりもしたが心の問題だと言われ、特には何もされなかった。
そうして一週間が経ち、今日も長い一日が始まった朝、美琴は憂鬱な気分で目を覚ました。
「おはようございます、お姉様。ご気分は?」
美琴はここ一週間、同じ挨拶をする白井に首を振って答えた。そうして白井も同じように、そうですかと表情を暗くするとカバンを持って部屋のドアに手をかけた。
「今日もお休みしますと言っておきます。ですが、もう一週間。そろそろ出てこないと問題になりますわよ」
「……………ごめん、なさい」
小さく弱りきった声で謝った美琴に白井は少々驚いた。なぜなら弱りきった声を出していた美琴は、白井が思い描いていた美琴とはまったく違ったからだ。それは普段とは打って変わって、まるで別人と話しているような錯角さえあった。
しかしこれも御坂美琴だと付き合いの中で、白井は知っていた。なので、弱りきってしまった美琴に幻滅せずに、いつも通り美琴を慕う白井は、ご無理をなさらずにと心配の声だけをかけ、部屋のドアノブを引いて部屋の外に出て、ドアを閉める隙間から顔をのぞかせ、最後にもう一声かけた。
「もし何かございましたら、ご連絡ください。全ての放棄してまで、お姉様の元へ戻ります」
「何言ってるのよ。早く行きなさい」
「ええ。では、今度こそ行っていまいります」
白井はそういって、今度こそドアを閉めた。
そして部屋に取り残された美琴は、布団を被りもう一度寝付こうとした。その時、設定しておいた携帯のアラーム音が鳴り響いた。美琴はだるい身体で布団を吹き飛ばすと、近くにあった携帯を開いて、アラーム音を止めた。
「………………あれ?」
携帯を開きアラームを止めた時、メールが一件入っていることに気づいた。美琴はそれを確認するために、フォルダを開き、相手を確認すると表示されたのは『上条当麻』の名前があった。
「なん、で…?」
時間を見てみると4時43分と普通は寝ている時間帯であった。今の時刻は8時6分と約3時間半前のメールに、美琴はある憶測を立てメールの中を開き、本文を読んだ。
「『話がある。学校が終わったあとでいいからいつもの病室に来て欲しい』」
なんの変哲もない普通のメール。だけど、上条が自分を呼んでいた。
それがどんな理由であれ、連絡をくれたことは今の美琴には極上の喜びであった。
メールを読んだあと、美琴はまずシャワーを浴びた。何日かに一回であったため、入念に身体を洗い普段の倍近くの時間をかけた。
そのあと、一週間ぶりに制服に袖を通し、短い髪の毛に櫛を通した。入念に準備をした後に、美琴は白井にメールを送った。
「『出かける』でいいわよね」
簡単に一言で済ませるメールを送った後、美琴は部屋を出て病院へと向かう。途中で寄ったコンビニで、適当なものを買い朝ごはんを済まることにした。その時、毎週のように読んでいたマンガを読んでいなかったことを思い出し、帰りに読んでいこうと決めるとレジで会計を済ませ、食べ歩きながら道を歩いていく。
道中、常盤台の制服が目立ってか、見てくる通行人がいたが特には気にせず歩いていくと、あっという間に病院についていた。
(私ってそんなにアイツと会いたいの?)
自分でもわからないが、きっとそうだろう。美琴は行きなれてしまった病院の入り口を通り、エレベータで上条専用の個室がある階にを押す。到着の階のアナウンスが聞こえると、逸る気持ちを抑え、その階で降りる。長い廊下をゆっくりと歩き、いつも行く病室のドアをノックすると、どうぞという聞きなれた声で聞こえた。
「えっと……お邪魔します」
ドアをゆっくりと開けて、美琴は上条の病室に入った。いつも通りの殺風景な光景と一つのベット。そこに寝ていたのは、怪我をしていた上条当麻その人だった。
その人こと上条は、来訪者が美琴であったことに驚いた表情を見せた。
「お前、学校はどうしたんだよ。馬鹿の上条さんでも、今日は平日で学校はあることぐらいわかりますけど、もしかしてサボり?」
「…………………」
上条はいつもと変わらなかった。
いつものように口調、いつもの視線、いつもの表情、いつもの上条当麻。御坂美琴の良く知る上条当麻の姿が、美琴の目の前にいた。
「えっ?! お、おい! いきなり泣き出してどうしたんだよ!!」
自分の知る上条当麻が戻ってきたようで、とても安心できた。そのあまり、美琴は涙を堪えきれず、両手を顔で覆って泣いてしまった。もちろん、なんで泣いてしまったかもわからない上条は慌てて、泣き止んでくれと動けない身体で頼み込んだ。
「た、頼みます、御坂さん!! 本当に頼みますって!!」
動ければ何かしらのことは出来たが、今の上条はけが人で立つ事もままらない。ただ寝ているベットで泣いている美琴に声をかけるしか出来なかった。だから、誰かがここに来たら泣かせたと勘違いされる可能性があったので、泣き止んで欲しかったのだ。
さらに上条は泣いている相手に、どのように接すればいいのか迷ってもいたのだ。男らしく無言で抱きしめる、と考えたりもしたが動けない自分にはそんなことが出来ない。さらに泣いている相手にどういえば泣き止むのかさえも、一切わからなかった。
「頼むって。お前に泣かれても、どうすればいいかわからないんだよ」
少し情けない声で上条は言うと、美琴はごめんと謝った。そして、両手を離し、まだ赤みを帯びた瞳で上条を見ると、ベットの近くにあった見舞い客用のパイプ椅子に座った。
「ごめん、なさい。ちょっと、安心しちゃって」
「まあ色々とあったけど、無事に帰ってこれました。けど、泣くまでですか?」
「それもあるんだけど、そうじゃなくて……」
美琴は上条から視線を逸らし、少しばかり沈んだ表情を見せた。
何かしたか、と罪悪感のようなものを感じながら、上条は美琴の言葉を待つ。すると、搾り出したように上条に言った。
「一週間前のアンタと違って、今ここにいたのは私の知ってるアンタだったから」
「…………………」
「何があったかは訊かない。でも、なんであんな態度を取ったかは教えて欲しい。じゃないと、私…私」
美琴は今にも泣き出しそうな表情だった。
それを見ていた上条は、本当に悪いことをしたと強い後悔の念と泣かしてしまった罪悪感に蝕まれた。そして、今回の件は美琴にはまったく関係のないことであったが、巻き込んでしまった気がしたので、上条は素直に何があったかを話そうと決心した。
「わかった。少し長くなるけど、いいか?」
不安な表情のまま、美琴は頷いた。その表情は、上条の胸に少しばかり刺すような痛みを与えた。
今回の件の始まりは、上条の態度が変わったその日から始まっていた。
学園都市内に、また上条を狙う魔術師が現れたと言うことを聞いたのが、態度の変化の始まりだった。
「夏休みの最後の日のことを覚えてるか? 海原光貴ってやつのことをさ。あの時話さなかったけど、あいつも俺を狙ってた魔術師だったんだ」
「まじゅつし……? あの海原が?」
「ああ。なんでもアステカの方の魔術師に化けてたらしいんだけど。変装してお前に近づいてたみたいなんだ。でも結局は俺を殺そうとして……あの日に繋がったってわけだ」
そうと言いながら、美琴は少しばかり赤くなっていた。
『御坂美琴と彼女の周りの世界を守る』
あのときのことは鮮明に美琴の中に残っている。もしかしたら、あれも上条を好きになるきっかけだったのかもと思うぐらい、美琴の中では大きな思い出だった。
「あれ? なんか赤くないか?」
「な、なんでもないなんでもない! そ、それより続き続き」
上条は美琴の顔と慌て方に??? と首をかしげながらも、まあいいかと納得し美琴に促された話を続けた。
「それで今回はあいつがいた組織からの刺客が学園都市に来たってことを聞いたのは、九日前だったか? ちょうど俺がお前に冷めた態度をした日、であってるか?」
「ええ。あってるわ」
「話を聞いたのは昼間だったから、ちょうどお前と会う前だな。そんで態度を変えた理由だけど、単純にお前を巻き込めなかった。いや違うな。学園都市の人間を巻き込めなかった」
「…………どういうこと?」
よくわからないと、納得いかなさそうな表情を浮かべると、それはだなと上条はさらに話を続けた。
「お互いに均衡を持っている関係なのが、学園都市と魔術の世界なんだが、今回襲ってきた魔術師たちは魔術側の人間。しかも、イギリスのほう……って言ってもわかんねえか。要するに、インデックスのいた場所の人間だったんだよ。
それで話をしてきたやつが言うには、『今回は学園都市の人間とはあまり関わらず、距離を置け。それでもしつこいようなら、冷たく接しろ』とか言ってきてさ。ったく、ステイルのやつ」
「………………」
「おかげで俺は学園都市じゃ嫌われ者だよ。はぁー、一日二日で終わると思ったらこんなにかかるなんて、不幸だ」
と、ため息をついて今回のことを全て話した。
それを聞いて美琴はあの時の上条は、演技をしていたことに気づいた。つまりあの時の口調も行動、あの冷たい視線も全て嘘。
「じゃ、じゃあ…私のことは、嫌いじゃ、ないの?」
「はぁ? むしろこっちが訊きたいぜ。あんな態度を取って、俺を嫌わなかったのかよ? 俺ずっと後悔してたんだぜ」
「こう…かい?」
ああ、と頷くと上条は窓の外を見ながら、話し始めた。
「お前な。あれはどう考えても上条さん本人なんだから、後ろで泣いてたりしたときには本当に辛かったぜ。芝居にしてもあれはさすがにきつかった」
「……………」
「でも今回は全部上条さんの責任だし、お前には非がない。でも、元々嫌いだったやつだからこれ以上俺を嫌いになんかならないか」
「……………」
「御坂はこんなことをした上条さんを嫌いになりますよね? なりますよね、ははは」
乾いた笑いが病室に響いた。勝手に話を進め、勝手に完結した上条の独白。自分の世界を壊してしまった悲しみ、輪の中から省かれたと思う思い込み、そして後悔の念。何故上条が自分のうちを明かすようなことを話したのか、美琴には何故か判るような気がした。
「……け……じゃない」
「………ん? なんて言ったんだ?」
「アンタを、嫌いになれるわけないじゃない!!! 馬鹿!!!」
そういって美琴は上条の胸に抱き、顔を胸に埋めた。当然、いきなり抱き疲れた上条は、怪我の痛さと美琴のいきなりの行動に慌てた。
「お、おい!! み、御坂」
「何勝手に決め付けてるんのよ、馬鹿!! あれぐらいでアンタを嫌いになると思ったの!?」
「いや……俺は」
「あれぐらいで嫌いになってるんだったら、とっくに嫌いになってるわよ! それに、嫌われたと思った私の身にもなって見なさいよ。どれだけ泣いたと思ってるのよ!?」
「え…? お前、泣いたのかよ」
しまったと思ったが、美琴はそれらを否定せずにそうよと言って、上条を抱きしめる力を強めた。
「アンタに嫌われたと思ってへこんだわよ。怖いって言ったことを後悔したし、この一週間、それで部屋で塞ぎこんでいたわよ」
「おまえ………どう、いう」
「わからないわよね。私がどれだけアンタに嫌われたのが、どれだけ辛かったかわからないわよね」
「…………………」
「ほら、答えられない。でも、わかってたわよ、そんなこと」
「みさか、おれは……」
上条が言おうとしていることはわかる。だけどそれは間違いだ。
美琴は抱きしめた手を解くと、上条の両頬を両手を沿え、強引にこちらを向かせた。
「何泣きそうな顔してるのよ。アンタはそんなに他人に冷たくするのが、嫌だったの?」
「…………………」
「ホント、優しいわね。少し傷つけたと勘違いしたらすぐこんな顔をして。でも……そんなアンタが」
そこで言葉を区切ると、美琴は上条の口を自分の口で…………。
「これが苦しんだ答えよ。わかった?」
「……………」
「…………アンタ、どうしたの?」
「悪い。もう一回してくれねえか?」
「なっ……?!」
「そうしたら、完璧にわかると思うんだけど、どうだ?」
<終わり>
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