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2024/04/30 04:13 |
戦場ヶ原ひたぎの悩み?
ひたぎのデレが、いまいちわからないorz
しかし私は、毒舌が少ないひたぎを書くな。原作よりも、綺麗だなwww

偽物語の前のお話…かな(微妙な時間軸)



「阿良々木くんはダメね」
「始まりが僕の悪口からとは……」
 悲しんでいる暇はない。悲しみたいが、時間が許さない。だから、涙しながら続けよう。
 七月も後半へと突入し夏休みが近づく。僕こと阿良々木暦は戦場ヶ原ひたぎと付き合っている。みんなそのことを知っているが、付き合っている僕自身が時々それを忘れてしまう。
 その原因がこいつの性格、ツンデレにあった。
「阿良々木くん、いい加減に弱者だと認めなさい。『僕は何も出来ない、存在価値がない人間です』って」
「なんでそんなことを言わなくちゃならないんだ。それよりも、弱者と存在価値は結びつかないだろう」
「だって、阿良々木くんだもの」
「それで、納得できてしまうなんて、恐ろしい言葉だな!!」
 しかし、ツンデレというよりも、無表情で暴言のマシンガンを僕に撃ってくる戦場ヶ原は、ツンデレというよりもツンドラだ。この暴言毒舌には本当に困らされる毎日だ。
 でも、それが戦場ヶ原らしさだと実感してしまった僕からしてみると、それがなくなった戦場ヶ原は、戦場ヶ原ではなくなってしまう気がしてならない。というよりも、暴言を言われないと実感できないあたり、僕がおかしな属性に目覚める前兆であるような気がする。我ながら、恐ろしいことだ。
「ところで、阿良々木くん。阿良々木くんには是非とも一度、訊いておきたい重要な質問があるのだけれど?」
「な、なんだよ。いきなり」
「阿良々木くんが本当に一番好きな女の子は、誰なのかしら?」
 こ、こいつは…何を言い出すんだ。
 戦場ヶ原の無表情の質問は、とても怖い。動揺ぐらい見せて欲しいのに、こいつは淡々と言うのだから、考えていることが読めない。
 そして、一番怖いのは、間違えると命がないということだ。恐るべし、僕の彼女、戦場ヶ原!!
「そんなの、戦場ヶ原に決まってるじゃないか。というよりも、僕たちが付き合っている時点で疑う必要なんてないとい思うんだが」
 これの答えは簡単だと思う。というよりも、これで他人を出したら付き合っていることが矛盾する。それに、僕が生きてない。
 しかし、戦場ヶ原はため息をついて、僕をにらみつけた。
「いいえ。阿良々木くんは、計り知れない変態の浮気者だと聞いているわ。そんな変態で浮気者の彼氏である阿良々木くんの言葉を、一体どこの誰が信用するのかしら?」
「それを信用しての彼女だろう!!!というよりも、そんなでっち上げを広めたのはどこのどいつだよ!!!」
「私が今さっき、思いついたことを現実にしたのよ」
「たちの悪い冗談を、現実にするな!!」
「ええい黙れ!!!貴様に話す舌など持たぬと言ったはずだ!!!」
「散々言ってそのオチは不公平だ!!!!」
 表情を変えず、声だけを変える戦場ヶ原が恐ろしい。いや、知ってはいたが改めて恐ろしいと思った。
「それで…本当のところはどうなの?」
「………僕は戦場ヶ原一筋です」
 彼女の前で、土下座して言う高校三年生の彼氏。というか、僕だ。
「呆れた。簡単に土下座をするなんて、あなたにはプライドと言うものがないのかしら?阿良々木くん」
「土下座に持ち込んだのはお前だろう。それに、僕にだってプライドはあるよ」
「え?!阿良々木くんにプライドなんてあるの!」
「いつぞやの公園で見せたような、意外そうな表情をするな。それよりも、プライドがなくなる原因は、戦場ヶ原にあるんだぞ」
「あら、私がいつそんなことをしたのかしら?いい加減な発言は、万死に値するわよ。阿良々木くん」
「…………」
 僕を睨む戦場ヶ原が凄く怖い。どう見たって、戦場ヶ原の方が悪いと思うんだが、睨みつけられると何もいえなくなってしまう。
 というか、脅されているよな?誰がどう見ても。
「ごめんなさい。僕の勘違いでした」
「そう…わかればいいのよ。わかれば、ね」
 勝ち誇ったような笑みを見せる彼女と、また土下座する彼氏。なんだ、この上下社会を見せ付けるような構造は!しかも僕が下だと言うことには絶望した!
「なんで、僕ばかりこんな目に」
「だって、阿良々木くんだもの」
「チート並みに使える言葉だな!!!封印を要求する!!!」
「いやよ。これほど使える言葉を阿良々木くんのために使わず、誰に使うのよ」
「ならば、もっといい状況で使ってくれ!!と言うか、某詩人の言葉を僕なりにアレンジするな」
「だって、阿良々木くんだもの」
「それでも納得できることに、絶望した!」
 もう…絶望しか出来ない!
 ホント、なんでこいつと僕は付き合っているんだろう。謎だよなー。
「で、本命は誰なのよ?」
「戦場ヶ原、だよ。それに、別に好きな人が出来たら、別れる話ぐらいするよ。僕だって、それぐらいの常識ぐらいあるよ」
 まあ、その話の出した時点で僕の人生はそこで終わると思うが…いや、それ以上は考えないでおこう。
 だけど、羽川や神原に対しては恋愛感情が沸かないのは事実だ。どちらかと言えば……経験上の話だが、戦場ヶ原の方が、恋愛感情に近いものを感じることが稀にだがある。あくまで、稀にだがある(強調)
「本当なの?私が好きだって、阿良々木くんにはそれが証明できるの?」
「………」
「私は阿良々木くんが好きよ。そのためなら、どんなことだって出来るわ。阿良々木くんのためなら…」
 な、何故ここでデレるんだ?!
 いや、焦るな阿良々木暦!これは計算なんだ。戦場ヶ原は計算してデレているんだ!!そうだ、そうに決まっている!!!
「阿良々木くんは、私には何もしてくれないの?」
 ふと思った。これって、戦場ヶ原の本心じゃないか?
 だって、考えてみろ。自分のことが好きかなんて、普通の女の子が気にすることだ(羽川談)それを、あの戦場ヶ原が僕に対して言っているんだ。それって……計算する意味なんて…ない、よな?」
「僕だって戦場ヶ原が好きさ。だから、どんなことだって出来る。命をかけることだって…」
「………ヤバイ、惚れ直したぜ」
 おい。そこで雰囲気をぶち壊すこと言うな。
「意外とかっこいいことを言うのね、阿良々木くん。ホントに遺骸だわ」
「遺骸ってなんだよ。僕はまだ生きてるぞ」
「でも、一度死んでいるじゃない。そして、生き返った。何か反論が?」
「……ありません」
 やっぱり、戦場ヶ原だった。こいつのデレはやはり危険すぎる!!
 いつもの雰囲気に戻った戦場ヶ原とは対象的に、僕は少し鬱になった。
「それより、早く勉強しましょう。そのために、私の家に来たのじゃないのかしら?」
「あ、ああ。そうだな……」
 最初に言い忘れたが、僕は勉強会のために戦場ヶ原の家を訪れていた。それが始まる前のちょっとしたリフレッシュタイムだったのだが、少し話しすぎたようだ。
「じゃあ、頑張ってね」
 と言うと、戦場ヶ原は立ち上がって、玄関の方へと向かっていく。出かけるとは聞いていなかったので、僕は戦場ヶ原を呼び止めようとした瞬間、戦場ヶ原は僕に振り返ってこう言った。
「今日は気分がいいの。だから、阿良々木くんのために、夕飯を作ってあげる」
 笑みを浮かべながら、戦場ヶ原は家を出た。そして、僕は寝転んでため息をついた。
「…………あの表情、反則だよな」
 あんな笑みを見せられたら、ドキッとしてしまうに決まってる。それに、僕のためにというのは嬉しいことだ。
 なんだかんだ言っても、やっぱり僕は戦場ヶ原が好きなようだ。そう実感させられた、微笑だった。
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2009/11/02 23:16 | 化物語

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