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2024/04/30 05:33 |
SH計画 1
一つじゃ終わらない~まだまだ続くよ~…になってしまった。
三回書き直したら、二週間近くたっていて驚いたよ^^:
最終的には、18禁になるのでそれ未満の人は最初の部分だけorz

若干シリアス。ちなみにネタは全力ですwww



 大学受験を勉強をしながら、僕は戦場ヶ原の姿を気にしていた。
「……………………」
 勉強に集中していて決して表情を崩さない。疲れているのか、まだ余裕があるのか、はたまた今度はどんなことをして僕を貶すのかを考えているのか、表情から察することは難しい。
 いつもの光景なんだが、最近は少しだけ物足りなさを感じ始めていた。戦場ヶ原と勉強をすることが嫌になったのではなくて、少しだけ期待してしまっている僕の我侭が、物足りなさを感じていたのだ。
「………何か?」
 僕の視線に気づいたらしく、戦場ヶ原も僕へと視線を向けた。
「いいや。なんでもない」
 そう、と戦場ヶ原は興味を失ってまたノートへと視線を向けた。僕もノートに視線を向け勉強しよう…と思ったが、物足りなさがもどかしくて集中力が切れてしまった。
 やっぱり何かが足りない。こう、二人だけのものと言うものが…何か欲しい。
 贅沢なやつだと思ってもらってもいい。わがままなヘタレだと思われてもいい。でも、僕だって彼女と一緒に過ごしてそれなりに経つのだし、初デートの時のような、あんなサプライズがまた欲しいとも思いたい。
 あれ以降、劇的なことはなかったし、僕も一応は満足はしている。満足はしているんだが…僕の基準だとに少しだけ不満、というよりももう少し欲しい。
 簡単に言えば、恋人同士なんだし~もっといちゃつこうぜ~のノリだ。
「なぁ、戦場ヶ原」
「何かしら?阿良々木くん」
「僕のこと、好きか?」
「ええ。好きに決まってるじゃない。何を今更言っているの、下種」
「下種と言われた時点で、好きかどうか疑問を抱くな!」
 だけど、やっぱり僕のことが好きなのは確実だよな。表情や言動は置いておいても。
「阿良々木くんは私のこと、好きよね?」
「あ、ああ………好き……だよ」
「そう……」
 …………即答できない僕ってやっぱり、おかしいよな。
「なら、キスして」
「……………はぁ?」
「キスよ、キス。阿良々木くん、まさかキスの仕方がわからないとでも言うんじゃないわよね?」
 それはない。一回だけ、戦場ヶ原とはキスをしているんだから、その時に……。
 じゃなくて!?キスをしてだと!あの戦場ヶ原が僕にお願いをしていることがまず意外だ!!
「ガハラさん、マジ……ですか?」
「阿良々木くん、男なのに情けないわね。それとも私からしてもいいかしら?」
 戦場ヶ原はいつぞやの時のように、僕に飛びかかり、腕を回して頭を固定した。これは確か…芯が目に刺されそうになったときの、と回想している暇もなく、戦場ヶ原の顔がすぐ目の前にあった。
 でも、戦場ヶ原はここまできて動きを止め、僕と見詰め合った。
 恥ずかしそうな顔には微かに赤みをおび、視線は僕の顔を向けて離さない。戦場ヶ原の顔は、まさに僕と向かい合って離されなくされているみたいで、僕も少しだけ恥ずかしい。
 だけど、悪い気はしない。むしろ、今の戦場ヶ原は可愛くて微笑ましい。これが僕の恋人だと言うことが、僕の自慢にしたいぐらいだ。
「阿良々木くん………」
 覚悟を決めたのか、戦場ヶ原は目を閉じてゆっくりと僕に近づいてくる。
 だけど、戦場ヶ原。キスを強請る彼女というのも嫌ではない……嫌ではないんだけど、せめて無表情だけはやめて欲しい。
「戦場ヶ原…」
 僕はそれには触れないようにして、戦場ヶ原を待った。自然と近づいてくる唇同士をぶつけようかとも思ったが、目を閉じてしまったことだし待っていたほうがいいかな、と思ったからだ。
 ゆっくりと近づいてくる唇。ファーストキスの時のようなロマンチックな光景は欠けているが、雰囲気はそれ相応のものであった。
 だから僕は雰囲気に流されるように目を閉じて、やってくる戦場ヶ原の唇を僕の唇に導かせるように優しく触れた。
「んっ……」
 触れ合うだけのキス。子供のキスと一部では言われていたけど、子供のキスだなんてとんでもない。これだけでも子供には十分すぎる。
 たった一瞬でたった数秒だけど、その一瞬数秒がどれだけの価値を持つかは簡単には量ることは出来ない。現に今のキスを量ってみろと言われても、導き出すのにどれだけの時間を費やすかはわからない。
 戦場ヶ原とのキスは、それほどまでに僕に重大な意味を持たせていた。
「………満足した?」
「………」
 キスが終わっても戦場ヶ原には変化はない。しかしそれは外面的な部分であって内面ではどれだけ変化しているのか…。
 対する僕はニヤニヤが出てしまいそうなほど満足した。久しぶりのキスであったのだから、喜ばずにはいられなかったし彼女とのキスは………好きだ。
 でも………男としては…早いけど。
「戦場ヶ原。無理だったら無理だといってくれ」
「何かしら、阿良々木くん」
「ディープ………は、出来るか?」
「私の舌で僕の舌を虐めてください、と言いなさい」
「いきなり調子が戻ったと思ったら、僕がマゾだと認めさせる発言を強要するな!というか、虐められるキスじゃないだろう!」
 神原が聞いたら、どんな嬉しそうは表情を浮かべるか想像したくなほど言葉を、戦場ヶ原は瞬時に僕向けの言葉へと変換するあたりは、さすが戦場ヶ原…じゃなくてだな!最近、一人ツッコミが流行なんだ…ではなくて!!!
「一人ツッコミをする人は寂しい人よ」
「馬鹿な!この僕が寂しい人だと?!」
「さりげなく武力介入をするメガネのセリフを織り交ぜるのは構わないけど、残念なことにこの世界の阿良々木くんにはそんな今ないのよ」
「僕が他の世界で出演していることを言うな!僕はこの世界にしかいない」
「武力による戦争根絶があなたの願いじゃなくて?」
「中の人つながりのネタを使って別の世界に介入するな!!僕の願いは戦争根絶じゃない」
「あなたの奴隷です、とか」
「それはもっとありえない!!!!」
 まずそんな願いの恋人、この世に存在するのか僕は訊きたい。
「雰囲気作りはこれでいいかしら…」
「これのどこが雰囲気なのかを聞く以前に、お前のどんな雰囲気を望んでいたかを訊きたいよ」
「阿良々木くんを惨めにする雰囲気よ」
「答えてくれてありがとう、ひたぎさん!」
 忘れてた。僕を惨めにする雰囲気を作って満足するのが戦場ヶ原ひたぎだ。
 つまり、真面目に戦場ヶ原は僕を惨めにする雰囲気を作ったのだろう。
「というのは冗談よ」
「僕の仮説はなんだったんだ!?」
「これで調子が戻ったことだし、いいかしら……」
 まず調子を戻すってどこを戻したかったんだか。
「私も初めてだからわからないけど、してみたかったのよ」
「………」
「でも、どういった心の変化?普段のヘタレ木くんはそんなことを言わないはずよ」
「僕の名前をほとんど原型がない惨め過ぎる名前に変えるな。僕の名前は、阿良々木だ」
「はっ!これだから、変態は」
「僕の名前が変態だと思わせるようなことを言うな!」
「まぁ、そんなミジンコ並みのことは置いておいて」
 最近のネタは八九寺語が多いのが現状だが、レベルの高さに僕は参りそうだ。一応、見ている方々にも勘違いされそうだからもう一度言っておく。僕の名前は、阿良々木だ。
「阿良々木くんは新たなものに目覚めたのかしら?」
「そうじゃないよ……ただ……」
「ただ………何よ?」
「戦場ヶ原が好きだから……その、もっと触れ合いたいと思っただけさ」
 我ながらなんということを言うんだ。一応、本心なんだが僕らしくないな。
「ふっふっふ。嬉しいことを言ってくれるじゃない。ところで、○○くん」
「名前の記入欄の例に書いてありそうな名前になっていて、僕の原型が完全に消滅しているな!それ以前に、文字数が二文字しかないし○○って何にでも変換できるじゃないか」
「ここに、カスと入れればあなたの名前はカスくんね」
「酷い名前をつけるな!まったく嬉しくないし、僕の名前は阿良々木だ!」
 八九寺よりもたちが悪いものを作り上げるとは、やはり恐ろしい。しかも、これなら僕が今までに出会った全ての人物にも通じるネタだ……広まらないことを願おう。
「一体、いつになったらやってくれるのかしら」
「いつって…何がさ?」
「自分で言ったくせに忘れてるなんて、万死に値するわ」
 つまり、自分で言ったことだから僕からやれと言いたいのか。
 僕は戦場ヶ原の肩に手を置いてみた。すると、戦場ヶ原は僕のほうを見て笑った。
「どんな惨めな目にあうか、見ものね」
「ここに来て、雰囲気を壊すことを言うなよ」
 僕は皮肉を言って、心のそこでため息をつく。そして、僕も戦場ヶ原を見た。
 こうしてみてみると、可愛いというよりも美人だ。普段は無表情だったり、楽しそうだったりでわからないが、向かい合ってみると僕はものすごい美人と付き合っていたのだと気づかされる。これで性格が歪んでいなければ最高なのだが、僕はその性格を含めて戦場ヶ原を好きになっているから、今更変えて欲しいとは思っていない。むしろ、歪んだ性格があるから、僕はこいつを好きになったんだった。
「では、阿良々木くんはどういった雰囲気を求めていたのかしら?」
「それは………恋人同士の雰囲気をだな――」
「私たちの雰囲気はこんな感じじゃない。今更何を言うのかしら」
「確かにそうだけど…って僕を虐める雰囲気が僕たちの雰囲気なのか!?」
「冗談よ。阿良々木くん、好きよ」
 いきなり切り出してきたが、意外なことに僕は冷静でいられた。おかげで自然と僕も自分の言うべき言葉を言うことが出来た。
「僕も好きだよ。戦場ヶ原」
 さっきまでコントの空気だったのに、たった一言の言葉が言い方次第でここまで変わるのだから、言葉の力とは凄いと思い知らせれる。でも、今は言葉よりも重要なことがあった。
「んっ…」
 僕は自分から唇を押し当てた。ただ当たるだけのキスだというのにこれだけで十分な幸せを感じてしまう。この気持ちが、戦場ヶ原もそうだと思ってくれれば、僕としても嬉しいものがある。
 しかし、これで満足してはいけない。僕は先に進みたいと思ったのだから、戦場ヶ原に無理を言ったんだ。
「んっ…ちゅ」
 恐る恐るだが、僕は戦場ヶ原の唇をゆっくりとなぞってみた。
 感想としては、他人の唇の感触と自分の感触が違うことに驚いた。当然といえば当然なんだが、身を持って実感すると小さな衝撃を感じた。
「……終わりじゃないわよね?」
 まさか、と僕はもう一度唇をなぞってみた。今度は戦場ヶ原も僕と同じように自分の舌を使って僕の唇をなぞり始めた。
「ちゅ……ちゅ」
 ちゅ…ぴちゃ…。
 唇からもれた唾液の音がかすかに耳に届き、自分の唇をなぞられていることを身を持って感じている。
 本に書いてあったとおり、確かにディープは麻薬だ。まだ序の口なのにこの時点で僕は先に進みたいと思う衝動が抑えられなくなりそうだった。
 だがまだ自制は十分に効いていたため、もう一度唇を離した。
「戦場ヶ原、今度は中を」
「やっと本番ね。それじゃあ、先にやらせてあげる」
 先にということはあとから自分もするということだよな。でもディープってお互い動かすものだし、後になっても関係ない…と思うんだけど僕から行うのは少しだけ違和感がある。なぜなら、大体のことは戦場ヶ原が勝手にリードしてしまうことだから、僕から先に行うと言うのは珍しかったからだ。
 でも男性に先にやらせるって……僕を信じてくれているってことでいいのか?
「んんっ……ちゅっ」
 僕の舌はかすかに開いていた戦場ヶ原の口の中を通り、舌先は歯茎の山の間を越え、待ち構えていた舌にぶつかった。
「んっ?!………」
 驚きの声は僕か戦場ヶ原のどちらかのものであったが、僕にはどちらの声が耳に届いたのかさえもわからない衝撃に見舞われた。ただ、驚きのあまりほぼ同時に震えたのは感じた。
 しかし………なんだ、これは?!
「んんっ…!!」
 舌の感触はまさに未知の体験。手で触るなど、甘っちょろいものではない。残念ながら、たった今経験したことを言葉にするのは僕には無理な話だ。だが、それではあまりにも酷なので、出来る限り簡単な言葉で表すなら…。
 柔らかい!熱い!気持ちいい!!
「ちゅっ…ん」
 無意識に僕は戦場ヶ原を抱き寄せ、身体ごと密着させていた。たった一瞬だけの衝撃が、今の僕の理性を確実に溶かしていたのは十分に理解できていたことだ。
 触れた舌をさらにさらにと追い詰めていくように、僕は舌を押し動きを封じた。まるで僕だけが自由を持っているような感覚に、小さな征服感を覚えた。
「んん! ちゅっ……んんっ!」
 戦場ヶ原は歯向かうように、僕の舌を押し返そうと顔ごと僕に近づいてきた。僕も負けじと顔を押し返し、情熱的なキスが、顔の押し合いみたいになってしまった。
「んんっ…ぷはぁっ! 一旦待て!」
「はぁ……覚悟は出来てるかしら」
 方向性がおかしな方へと向いていたことだし、一旦場を収めようと思ったが、戦場ヶ原の目は確実に僕へと向いていた。しかも、怒りの眼差しだった。
「待て待て待て!たかがキスぐらいで」
「阿良々木くん……覚悟しなさい」
 僕は戦場ヶ原に身体ごと押し倒されて、さらにキスをされた。舌が僕の中に入ってきて…そこで法則性のない動きで僕の口内を犯していく。
「んんっ…ちゅっ……ん」
 歯茎をなぞり、頬を押し、舌をなぶり、喉の奥まで伸ばしてくる。さらには、唇を少し噛み、唾液を飲ませてきた。
 責めに関しては本当に抜かりのない戦場ヶ原。対する僕は、あまりのことに頭の中が爆発し、理性が暴走してしまいそうだった。
「ちゅっ……あむっ」
 僕も戦場ヶ原に負けじと舌を動かし対抗する。真似をする形になってしまったが、戦場ヶ原とキスをしていることに僕は更なる興奮を覚え、禁断のステージへと進みたいと思った。
「阿良々木……くん……ちゅっ」
 ぴちゅ……ちゅ……ぴちゅ……。
 背中から昇ってくるゾクゾクとした快感と興奮に、頭がふらふらしてきた。熱があるときのような感覚だ。
 僕は背中に回していた手をゆっくりと肩まで登らせ、そこからさらにゆっくりと胸へと導かせる。
「んんっ……ちゅっ…」
 熱い唾液が唇からこぼれてくるのがわかる。きっと離したら、有名な透明の橋が出来るのだろう。
 そんな予測を立てながら、ゆっくりとゆっくりと手を胸へと進めていき………寸前で離した。
「んっ!……はぁ……はぁ」
 浅はかだった。僕はすっかり熱に取り込まれてしまい、戦場ヶ原のトラウマを忘れてしまっていた。
 しかし、肩から移動してすぐに止められたのは不幸中の幸いだった。もし、あの先に行ったら戦場ヶ原はどうしていたのか……想像したくなかった。
「悪い……もう、いい」
 僕は戦場ヶ原を離し、数歩下がった。口元の唾液を腕でふき取って、何度か呼吸を整えてやっと冷静さが戻ってきた。そして、少しして戦場ヶ原に顔をあわせた。
「もう、十分だ……戦場ヶ原?」
「…………阿良々木くん」
 戦場ヶ原は顔を伏せて僕とは目を合わせようとしなかった。自分の腕で自分を抱きしめ、目に見える程、震えていた。
「ごめんなさい。少しはいけると思ったのだけど、まだ見たいね。少しだけ…フラッシュバックしてしまったわ」
「………ごめん、戦場ヶ原」
 弱々しい声は確かに戦場ヶ原のものだが、聞きなれなかった。それにこの儚い姿…初めてみた。
 蟹のときよりもさらに弱い声と弱い姿。戦場ヶ原、お前………。
「キスは大丈夫でも、その先は………」
「…………」
「ごめんなさい。もうしばらくかかりそう」
 というと、戦場ヶ原は浴室へと逃げていってしまった。
「まいったな、これは」
 僕は甘く見ていた。
 戦場ヶ原の傷は深いものだってわかっていたつもりだった。でも、実際に見てみてそれが浅はか過ぎたことだったことに気づかされてしまった。
 自分が情けないことと戦場ヶ原を傷つけてしまったこと、この二つの後悔に泣きそうだった。
 でも………。
「………」
 今回のことで戦場ヶ原も何かしらの変化はあったはずだ。それがいい方向だとしても悪い方向だとしても、確実に何かが変わったことは確信できた。あとは心の問題だ。
「………ごめんなさい、阿良々木くん」
 落ち着いたのか、戦場ヶ原いつも通りの姿で戻ってきた。いや…僕ぐらいしか気づけないほどかすかではあったが、少しだけ弱々しさが残っていた。
 でも僕はそれに気づかないようにして、僕も何事もなかったように戦場ヶ原を迎えた。
「気にするなよ。僕が勝手に行ったことだしな」
「いいえ。今回のことは私に非があるわ。ごめんなさい、まだトラウマが解決できてないの」
「トラウマ……仕方ないことだろう。戦場ヶ原が好きで負った傷ではないんだし、僕は気にしないよ」
「私は気になるわ。いいえ、今回のことで十分に理解したわ。トラウマなんて阿良々木くんに食わせてしまえばいいのよ、と」
「いくら僕でもトラウマを食すのは無理だ!」
 まずトラウマを食べられる人間がいたら連れてきた欲しいものだ。
「そういうわけで、阿良々木くん」
「なんだよ…」
「特訓よ」
「……………はい?」



続く
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2009/12/08 17:40 | 化物語

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