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2024/05/04 01:07 |
My future
sssです。
マンガ版を見た後に書くと、常にツンのマリアのイメージが強くなります。ゲームだと、もう少し緩かったのに、イメージ変わります。
それにしてもサーフェリオって、ストーリに関わるイベント少なすぎ。一番、印象に残らない町でしたwww



一向がサーフェリオに到着すると、フェイトはここで一日休むとパーティーメンバー全員に言った。そして、フェイトの意見に反対するものはいなかったので、一向は町に入るとその場で散らばった。
「さて、どうしようか」
 しかし、フェイトはここで何をしようか迷っていた。
 ここで休むと言ったのは自分であるが、それは仲間に気を使っての判断だ。サーフェリオは特に目立ったものはなく、ペターニと比べてみても小さな町だ。本来、暇なときは宿で休んでいるのだが、ここの宿は村長の家であり、その村長の話がとても疲れる長い話であったため、その選択肢もない。
 そして、いつもいるソフィアは今に限ってはこの町に興味津々だったため、どこかへ行ってしまった。
「まぁ、少し特殊な住人が住んでるから、わからなくもないけどな」
 初めてきたときは、フェイトもソフィアみたいに亜人たちに興味津々であった。だから、フェイトもその時のようなものなんだなと自然に理解することが出来た。
 しかし、今はそれは重大な問題だ、すべきことがなく一日過ごすほど、退屈なものはないというのは想像したくもなかった。なので、仕方なく適当に歩こうと思い、一歩踏み出したとき。
「……フェイト」
「ん、マリア?」
 後ろから近づいてくるマリアはどこか不機嫌であったのは、フェイトも見て感じ取れた。眉間にしわを寄せ、少し強めの口調から、それを感じ取るのは容易なことであった。
「ソフィアはどうしたの?」
「今日は別行動。この町に興味があるみたいで、一人でさっさと行っちゃったよ」
「そう。なら、今のあなたは暇なのね」
 まあね、と素直に頷くしかない状況に苦笑いした。
「なら私と少し付き合わない?私もちょうど暇だったのよ」
「本当かい!?それなら僕も好都合だ」
 この困っていた状況を助けてくれる相手がすぐ目の前にいたことに、ついつい喜びを隠せず声を上げて喜んでしまった。喜んでいるフェイトを見て、マリアはため息をつきフェイトの頭をポカンと殴った。
「子供のようにはしゃいでいる暇があったら、さっさと行きましょう。これじゃあ、一緒にいる私も勘違いされそうじゃない」
「ははは、そうだね」
 マリアの後をついていくように、フェイトも横に並んで歩き始めた。だが、マリアから何をしに行くか聞いていなかったフェイトは、そのことを質問してみると、
「特に用事はないわ。ファクトリーも宿もない場所だし、適当に散歩して時間を潰そうと思っただけよ」
「……それだけ?」
「ええ、何か問題でも?」
「……いや、特には」
 それ以上は何も言えず、ただマリアの付き添いの役に付き合うしかなかった。


 少し歩いて。マリアは、水中に沈んでいる都市を眺めた。
「どうしたんだ、マリア?」
「水中都市というものは興味深いと思ったのよ。人が住んでいないといっても、地球にはこのようなものがほとんど存在していないから珍しいと思ったのよ」
「そうだね。地球には、水中都市はないもんね」
 地球の文明は進化しているため、水中都市は存在しているといえば存在しているが、生活はほとんどが空の上であったり陸の上である。水中に住むのは、地球ではあまり活発的ではないため、二人からしてみると、水中都市は世界有数の芸術品をみるのよりも価値があった。
「これが創造主に作られたものだと言われても、私は信じないわ」
 自分に言い聞かせたのか、それとも創造主への反発なのか、どちらかわからないがマリアは力強くそういうと、フェイトを見た。そして、フェイトの手に触れて、もう一度言った。
「この手の感触。これが創造主に作られたなんて、ありえない!信じないわ!」
 今度の言葉が怒りと反発心からであった。自分勝手に生み出しておきながら、その義務を放棄すること。データではなく私たちは生きていて、存在して、意思があること。そして、神と戦うこと。マリアの言葉にはそれらが強く刻まれていた。
 マリアの言葉を聞いていたフェイトは、自分よりも強い意志があるマリアが羨ましく思えた。さすが、クォークのリーダー、名前は伊達ではないと実感させられた。
「マリアは強いね。羨ましいよ」
「そう?私からしてみれば、あなたの方がよっぽど羨ましいわ」
 羨ましい?僕なんかが?
「特に、あなたの意思、力は私とは比べ物にならないわ」
「意思?力?…何を…言ってるんだ?」
 ついさっきまで、羨ましいと思っていた人が自分を羨ましいと思ってくれていたことに、フェイトはかすかに動揺した。しかし、マリアはフェイトの動揺を無視して話を続けた。
「最初の頃はそうでもなかったのだけど、ソフィアかしら…あの子を助けてムーンベースに行った辺りから、あなたは急激に成長したわ。それはもう、仲間のみんなからしてみても比べ物にならないぐらい大きな成長よ」
「そんな……あの時は、父さんの研究を知ったことで色々なことの整理がついて、今後のことが明白に見えただけだよ。僕は…そんなに変わってないと思うんだけどな」
「いいえ。今は、フェイトを頼りに出来るわ」
 マリアは微笑んで、フェイトから手を離した。
「でも、全部じゃなくて一部限定だけど」
 当然といえば当然のことだったので、フェイトは苦笑いをして、自分の手を見た。
 意思…力…それがみんなよりも上だとは実感できない。ディストラクションを抜いても、自分が成長しているなんてわからない。でも、マリアは一番成長しているといった。フェイトは、自分の意思がよくわからなくなった。
 マリアはそれに気づかず、さらに話を続けた。
「フェイト、あなたは何のために創造主を倒すの?」
「創造主を?マリア、今更何を―――」
「あなたには、一度訊いておきたかったの」
 世界を救うこと、それがみんなの共通の目的であり、創造主を倒すことに繋がっていた。しかし、マリアが指すのみんな共通のことではなく、フェイト自身が何をしたいのか、フェイトの意思を訊きたかった。
 世界の救うのは共通の目的であったため、フェイト個人が何のために倒すのかなど言われるまで、思ったこともなかった。だが、意外と答えは身近にあり、深く考えるまでもなかった。
「僕は今の世界を残したい。そして、未来を僕の手で決めたい……それが僕の戦う理由なんじゃないかな?」
「未来のために戦う……君らしいわね、フェイト」
「僕らしいか…でも、これもみんな共通の考えだと思うけどね」
「そうでもないわ。フェイトらしい、君の答えよ」
 褒められているようで、照れくさくなりフェイトは先へと歩いていく。
「どこへ行くの?」
「適当に……散歩なんだろう?目的もなく歩いたって、問題ないさ」
 フェイトはマリアを放っておいて先へと進んでいった。そんなフェイトを見て、マリアは面白そうに笑っていたことをフェイトは知らない。

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2009/11/29 22:28 | SO3

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