衝動的に書いたものです。
特に深くは考えを練らずその場で書いたものなので、様々な面でめちゃめちゃですorz
特に深くは考えを練らずその場で書いたものなので、様々な面でめちゃめちゃですorz
いつものと変わらぬ平日のある日の夕方。
今日も彼女、御坂美琴は上条当麻を探してうす暗い街の中を一人で歩いていた。
「もう冬なのよね。日が沈むのが早いとあいつを探すのも大変だわ」
神出鬼没の上条は、いつどこに現れるか分からない。というよりも、今も学園都市のなかにいるかどうかもわからない。
ペア登録してある携帯も、また上条が勝手に設定をいじったか持ち歩いていないらしく通じない。
そうなると、あとは上条の寮を訪ねて確認すればいいが上条の寮がどこにあるのか、美琴はまだ知らない。
「せめてあいつの寮がわかればそこで待ち伏せしてられるんだけどな」
美琴ははぁとため息をつきながら自分の足でしか探すことができないこの状況を愚痴った。
と、その時、視界の端っこに見知った髪型を見つけ、そちらへと走った。
「あ、いた!」
両手にスーパーのビニールぶくろを持った上条の全身姿を目に捉えた瞬間、美琴は無意識に微笑んだ。
「待ちなさい!」
「ああ、ビリビリか。じゃあな」
「じゃあな、じゃないわよ!」
しかし今日は無視されなかったのはよかったものの、すぐさま別れの挨拶をされたのが気に入らず、いつも通り雷撃の槍を上条に向けてはなった。
それに反射的に反応した上条は右手に持っていたビニールぶくろを地面に落とし、右手を広げて雷撃の槍を防ぐ。
「あっ」
はずだった。
「えっ…」
だが袋を持っていたせいで右手の動きが若干であるが遅くなっていたので、右手が雷撃の槍を防ぐ前に雷撃の槍が上条の胸を直撃した。
そして直撃させられた上条はわけも分からぬまま体中に痺れを感じつつ、意識を手放した。
気づいた頃には夜になっていた。
先ほどまでの見えていたはずの夕焼けは退場してしまい、代わりに月明かりが窓から差し混んでいた。
「あれ…? ここっていつもの病院、だよな」
「そうよ、あんたがいつもいる病院よ」
気付いたとき目の前にいたのは心配そうな表情をしていた美琴の顔だった。
「ねえ、大丈夫? どこか痛いところはない?」
「特には………ない、な」
左右の手と首をぐるぐる回してみて、足を動かしてみたが特に痛みは感じなかった。
「そう………よかった」
美琴は安堵の声を漏らして、上条のベットの横にあったパイプ椅子に座った。
それから両手を膝の上に置いて、ぎゅっとスカートを握って俯いたまま言った。
「ごめんなさい」
つらそうな声は心の底から申し訳ないと思っているのが痛いほどわかった。
いつも上条に繰り出す雷撃の槍は殺そうとはしていないし本気で傷つけようとは思っていなかったことぐらい上条も知っていた。
むしろあれは防ぐと信頼をしていたからこそ、していたことではないかと上条は思っている。
それに御坂美琴は心優しい女の子で人を傷つけるのが嫌なはずだ。そんな子が上条を嫌っているとはいえ嫌いな子を本気で傷つけるはずがない。
だから謝るのは美琴ではなく、むしろ自分だと上条は思い。
「悪かった。ごめんな」
うつむいてた美琴に頭を下げた。
「なんでアンタが謝ってるのよ……悪いのは―――」
「防げなかったのは俺のミスだ。お前は何にも悪くない。だからごめん」
「………」
だが傷つけたことに罪悪感を感じている美琴はそういわれても納得ができなかった。
たしかに上条に非はあるかもしれないが、一番の原因は自分が上条に攻撃をしたことだ。それがなければここで寝ていることはなく、普通に寮に帰って夕食を作っていたのかもしれない。
それに美琴は上条を、好意を持っていた人間を傷つけた。そのことが、美琴にとって一番辛かったことだ。
「……………帰るわ」
これ以上ここにいると、罪悪感に押しつぶされて泣いてしまいそうだった。
もし泣いたりしてしまったら、今度はそのことで罪悪感を感じてしまいそうであったし上条にも迷惑がかかるかもしれない。
だから美琴は今にも泣き出しそうな顔を俯いて隠しながら、立ち上がり去ろうとした。
しかしそれを阻む右手が、美琴の腕を強く引っ張った。
「……………」
その結果、何が起きたかすぐにはわからなかった。
ただ一つだけわかるのは、上条の右手に強く握られた腕と唇に感じている熱い何か…。
「……………」
「……………」
上条と美琴は離れたしばらくの間、余韻に浸った。その間は何をしたか、されたかはお互いほとんど理解していなかった。
そして余韻が終わった頃に合わせて、
「……………」
再び、してみた。
「……どうして?」
「よく、わかんねえ」
気づいたらこのようなことをしていたと上条はつぶやいた。
それがどうしてなのかは自分にもまったくわからなかったが、原因だけははっきりとわかっていた。
「ただ御坂が妹達を助けようと命をかけたときを思い出した。そしたら………してた」
鉄橋での光景がなぜだか頭に浮かんだ。
あのときの弱々しさと悲しそうな表情。そして、助けを求める声があの時のように聞こえたような気がしたのだ。
だからきっとそれで、と上条は考えた。
「……………そう」
そして今度は美琴から。
「……嫌じゃないのか?」
「今更よね。察しなさいよね」
不機嫌に、でも顔はニヤニヤしながら美琴は言った。
「不幸だ」
ふと上条は思った。こんな風に笑っているのがやっぱりこいつらしい、と。
それが理由なのかなと自問自答したがそれでわかるはずもなく、心の底でため息をつきながらも、わからなかったことがなぜだから笑えた。
「なんでこうなったんだ?」
「アンタはいきなりすぎるのよ。それ以外に何があるの?」
「だな」
そして、もう一回……………。
それもやはりいきなりだった。
<fin>
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