思いつきの小ネタです。
今のプリクラってどんなもんなんっすかね~友達がほぼいない私からすれば、プリクラを撮る機会なんてないでござる。
んにしても、恥ずかしがってるのか恥ずかしがっていないのかわからない上条さんって、難しいですね。って、この話の上条さんは何にも気づいていないんですけどねw
そして美琴のツンとデレの割合が、最近バラバラな気がする……いやバラバラですねorz
今のプリクラってどんなもんなんっすかね~友達がほぼいない私からすれば、プリクラを撮る機会なんてないでござる。
んにしても、恥ずかしがってるのか恥ずかしがっていないのかわからない上条さんって、難しいですね。って、この話の上条さんは何にも気づいていないんですけどねw
そして美琴のツンとデレの割合が、最近バラバラな気がする……いやバラバラですねorz
第七学区にあるとあるゲームセンター。
大きさとしては、普通のゲーセンよりも小さい。置いてあるゲームの種類も少なく、ミニゲーセンとでも名づけていいほどここは小規模なゲームセンターであった。
話によると美琴はよくこのゲーセンに足を運ぶことが多いという。一方の上条は、ここにゲーセンがあったことも知らなかったので、当然来るのは初めてであった。
「それで、ゲーセンまでやってきてプリクラを撮りたいということでせうか?」
「そ、そう言ってるじゃない! 何よ、また文句でもあるの!」
「いや、ないけど……なんで俺なんだ? プリクラって女友達同士で撮るもの、男の俺と撮るもんじゃないだろう?」
「そんなものじゃないわよ! 大体、今ここにいるのはアンタだけなんだから、いいでしょ!?」
「そうだけどな…というか、本当に俺でいいのかよ? 白井とかに頼めば」
「ああもう! アンタは何にも言わない! 私がいいって言ったからいいのよ!」
休日の補習が終わり、暇つぶしに街を歩いていると不運なことに御坂美琴に捕まってしまった。そしたら、強引につれてこられたのはこのゲームセンターであった。
そして着くなりプリクラを撮るわよと垂れ幕を指差し、その垂れ幕をくぐり今は画面の目の前に来ていた。
「まあ上条さんとしては別にどうでもよろしいですし、さっさと済ませてどこかでお昼でも食べたい気分です」
「だ、だったら…これが終わったらお昼、奢ってあげるわよ。その代わりに、私と撮って」
「本当ですか美琴様! だったらこの上条、最後までお付き合いさせていただきます!」
「んな……なななっ!!!???」
美琴の顔は一瞬で真っ赤になり、人形のように動きをピタリと止まった。どうしたんだ? と上条が声をかけると、なんでもないわよと控えめに答えて俯いた。
そして、俯いたまま財布から一〇〇円玉を投入すると、画面が切り替わりアナウンスの音声が流れ始めた。
「ほ~お。プリクラってこうなってるんだ」
「アンタ、もしかして知らないの?」
「まあな。友達と付き会った時にプリクラの写真は見せてもらったことはあるけど、こうして撮るのは記憶の中では初めてだな」
「はじめて………そっか……えへへ」
美琴は俯きながら小さく笑った。
上条からは笑った顔は俯いていたため見えず、笑った声はゲームセンターの騒音で聞こえなかった。なので、どうしたんだ? と美琴の喜びの顔に気づいていなかった。
「まあいいか。ということですから、フレーム選択をちゃっちゃとやってくれ」
「了解了解っと……………えへへ」
美琴は慣れた手つきでフレームを選択していく。それを後ろから見ていた上条は、またカエルかと美琴のカエルのキャラ好きに呆れた。
しかし任せたといってしまったからには、文句は言えなかった。それにプリクラのフレームに関しては一切の知識がなかった上条からすれば、自分が選ぶ微妙なものよりはいい。
だったら美琴に任せた方が、自分が選ぶよりもまだ安心できた。
(まあカエルなのはちょっと気が引けるけど、美琴だし仕方ないか)
「あ、そうだ。アンタ、携帯あるわよね?」
「ああ。持ってるけど、どうかしたのか?」
「ならちょっと貸しなさい。あ、別に何もしないから安心なさい」
それならと上条はポケットに入れておいた携帯電話を取ると、ほらよと美琴に渡した。
美琴はそれを受け取ると、空いていた手で自分の携帯電話を取り出した。そして二つの携帯電話を、ボタンの横にあった隙間に置いて上条の横に戻ってきた。
「これでよしっと。んじゃ、撮るわよ」
「撮るわよって、あそこに置いた携帯は?」
「それはあとでのお楽しみよ。それじゃあ、行ってみようか」
妙にテンションの高い美琴は、そういうとボタンを押す。それから画面には上条と美琴の顔が表示され、撮る前のカウントダウンのアナウンスが流れ始めた。
「それにしても………変な表情をしてる写真ばっかだな」
「う、うるさいわよ。アンタだっておかしな表情ばっかじゃない」
「そうは言われてもな………いきなり笑え、なんて言われてもカウントダウン内に笑えるわけねえだろう」
「わたしだってそうよ……………アンタがいるんだもん」
「ん? 何か言ったか?」
「!!?? なんでもないわよ、この馬鹿!」
美琴は照れ隠しに雷撃の槍を叩き込んだ。それを右手でガードした上条は、結局こうなるのかよとため息をついて写真を見た。
どれもこれも、おかしな表情ばかりしている。というよりも、上条も美琴も自然な表情で撮れている写真が一枚もなかった。
これにはお互い、ため息を隠せずに少しだけ後悔をしていた。
「なあ、もう一枚撮らねえか? なんだかこの写真を見てると、情けない自分の表情に涙が出てきそうな」
「むむむむむむむりむりむり!!! もうはずかし…じゃなくて今日はもういいわよ! こここれさえあれば!」
「はぁ、そうですか」
必至になって拒む美琴を見て、やっぱり嫌われてるのかと少しだけ肩を落として、またため息をついた。
そして、写真ことプリクラをポケットに入れる。そこで、上条はまだ携帯電話を返してもらっていないことに気づいた。
「そういえば御坂。俺の携帯は?」
「あ、ああ。携帯、ね。えっと………ちょっとだけ待ってなさい」
というと、美琴は上条の携帯を開いて操作し始めた。そして、美琴の言葉どおり操作を終えるのをしばらく待った。
そのしばらくの間、携帯を操作しながら一人百面相をしている美琴に疑問を持ったが、自分の携帯絡みのことでありそうだったのであとで確認すればいいかと、あえて質問はしなかった。
「こ、これでいいわ。ほらアンタの携帯」
「おおう。んで、御坂は何を………」
美琴から返してもらった携帯をすぐさま開くと、そこに表示されたいつもと違う待ち受け画面に上条は凍りついた。
「……………えっと……なぜこれが」
「あのプリクラは、携帯に画像として残せるものなのよ。だから………それも、さっき撮ったやつの……えっと」
「……………変えるのは?」
「か、変えたらダメよ!………いい? 絶対よ!」
「……………あ…………ふ、ふこう、だ?」
そこに表示されていたのは、プリクラで撮った一番恥ずかしい一枚。それが何かは、本人たちのみが知ることであった。
<おしまい>
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